本当に自分の幸せを考えた時に、結婚はしたくないもしくは結婚は出来ないけれど、子どもは持ちたいと思う女性がいます。
近年、テレビ番組でも取り上げられることのある「選択的シングルマザー」は、結婚せずに子どもを持つことを選んだ女性たちのことと言います。
選択的シングルマザーとは、共同で育児をしている未婚のカップルや事実婚のカップルを含みません。
選択的シングルマザーの存在は海外ではすでに当たり前のようになっており、周囲からも受け入れられています。
多様な選択ができる時代だからこそ、敢えて結婚をせずに子どもを持つ生き方が受け入れられているのだと思います。
今回kagayakiは、未婚のまま妊娠・出産した場合のメリットとデメリットについて調べてみました。
目次
日本で独身未婚で妊娠・出産することのデメリット
海外では人生の多様な選択ができるようになってきています。
例えば、フランスでは事実婚と結婚の間に「PACS」と呼ばれる関係を結ぶ人たちがいます。
「PACS」は裁判所に書類を提出するだけで成立・解消ができる仕組みで、二人の間に生まれた子どもは権利が保障されます。
元は同性カップルに向けたものでしたが、結婚よりも手続きが簡単な「PACS」で関係を育む人が増えています。
また、スウェーデンにも結婚とは違う形の「サムボ」と呼ばれる事実婚のような形が広まっています。
一方で、日本ではまだこういった取り組みはなされていませんので、未婚のまま子どもを育てる際には様々な面でデメリットを感じることでしょう。
ここでは、シングルマザーが抱える3つのデメリットについてお伝えします。
偏見が多いシングルマザー
職場や身内などの近い環境にシングルマザーやシングルファザーがいる場合、その存在を身近に感じている人も多いでしょう。
厚生労働省の調査(2016年時点)によると、理由は様々ですが123.2万世帯が母子世帯で、18.7万世帯は父子家庭と言うことが分かっています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000363014.pdf
これは、子どもを持つ世帯の約1割程度が一人親家庭であると言えます。
ひとり親家庭の割合は以前より少しずつ増えている現状もあるので、それほど珍しい存在ではなくなりました。
さて、ひとり親家庭が決して珍しくはない実情の一方で、未婚のまま妊娠出産をした女性はどのくらいの割合になるのでしょうか。
いわゆる非嫡出子を出産した女性の割合は2.23%(2017年時点)と言うことが分かっています。具体的な数字を言えば、その年生まれた92万4968人の子ども内、2万1097人が非嫡出子なのです。実はこの2.23%という数字は、世界で見るとかなり低い数値です。
何と諸外国全体では、非嫡出子の割合が平均39.8%にも上ります。
特にヒスパニック系をはじめとした人の割合は高く、最も高かったのは黒人の69.8%。続いてアメリカンインディアン・アラスカ68.1%、ヒスパニック系52.6%という結果が出ているようです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20180930-00098261/
これはその国や社会が比較的楽観的な考え方を持っているという面もありますが、社会的にも文化的にも鷹揚な環境が作られているからとも言えます。
諸外国から見て、日本の非嫡出子の割合はとても低い理由の中に、日本では結婚に対して「必ずすべきもの」「した方が良いもの」という考えが根強い現状があるという点が挙げられます。
それを証明するように、内閣府が2015年に行った少子化社会に関する国際意識調査の中で、結婚すべきと考えている人は65.5%の割合です。こうした結果もあり、日本では結婚せずに子どもを育てていくことに対して、偏見を抱かれるケースは多いです。
選択的シングルマザーになるには経済力が必要
日本におけるひとり親世帯の貧困率はとても高い状況下にあります。
厚生労働省の調査によると、18歳未満の子どもがいるひとり親世帯の貧困率は50.8%(2015年時点)というデータがあります。
シングルマザーとなると、子どもが病気になった際には会社を休み、看病をしなくてはなりません。
急な呼び出しや対応を求められるため、フルタイム就業や残業が難しくなります。
また、日本ではまだまだ男女間の給与に格差があり、女性で子どもを育てながら働くことには難しさがあります。
このことは2016年に行った厚生労働省の調査結果を見ると分かるでしょう。
この調査では母子世帯の平均年収は243万円。
しかし、同じひとり親家庭である父子家庭では平均年収が420万円です。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11920000-Kodomokateikyoku/0000188167.pdf
その差は177万もあり、シングルマザーの置かれた環境ではかなり経済的に苦労することになります。
精子提供などで選択的シングルマザーになる前に十分な貯金や収入を確保しておく必要がありますね。
また、国や市町村が行っている支援制度を頼ることも大切です。
以前支援制度についてまとめた記事です↓
シングルマザーの子育て支援について
支援制度の中には出産育児一時金や児童手当などの手当金等が発生するものもあり、未婚の母親でもこれらを受け取ることができます。
ただし、夫と離別又は死別した女性が受けることのできる寡婦控除は、未婚の母親は対象外になる制度です。
寡婦控除は所得税や住民税の軽減を受けることができられるだけでなく、保育料や公益住宅の賃料にも違いがあり、負担する額を抑えることが可能です。
そのため、婚姻歴のあるシングルマザーと比較すると年間20万円ほどの違いが生まれると言われています。
シングルで子どもの世話をすることの大変さ
シングルマザーは基本的に一人で子どもの世話をして育てていかなければなりません。
仕事をしながら育児をするとなると、やらなければならないことも多く、体力的にも疲労が溜まるはずです。
また、子どもに手がかかる間はなかなか自分一人の時間を持つこともできないので、ストレスが溜まりやすく、子供に対して感情的になってしまう恐れもあります。
選択的シングルマザーになると決めたら、子どもについて相談することができる祖父祖母・親族など、頼れるひとの理解を出来るだけ早く得ておきましょう。
シングル・未婚で子育てをすることのメリット
ここまでお話をしたように、シングルマザーは経済的に困窮しやすく、周囲からの偏見の目があり、一人で子育てをしていかなければならないというデメリットがありました。
一方で、未婚で妊娠・出産をした場合のメリット3点です。
シングルマザーは夫に拘束されず自由に生活できる
結婚をしていた場合、夫や夫の両親、親類との付き合いもしなくてはならない場面が必ずあります。
夫がいなければ、夫の世話をする必要もなく、夫婦喧嘩をすることもありません。
また夫の親戚づきあいや、姑・舅との関係に悩むこともありません。
夫がいる場合、就職や転職に対しても相談し決定していくことになるでしょう。
しかし、こうした問題に対しても自分や子どもの事だけを考え、決定することができるので自由度は高いと言えます。
確かに、生まれたばかりの子どもの世話は一人では難しい面がありますが、子どもが成長し、子どもの生活リズムに合わせて過ごすことができれば、自分の使える時間は多いでしょう。
夫に合わせて時間を気にする必要もないので、自分のペースで生活ができます。
親子の絆が強い
仕事と育児の両立により、母子家庭では子どもとの交流が薄くなりがちです。したがってより子供とのコミュニケーションを大切にしようと考える母親が多い傾向にあります。
子どもとの絆は周囲よりも強くあろうとします。
その為か母子家庭で育った子どもの意見として、「母親との関係が近く、気軽に相談できる環境にあった」、「母と協力しながら生活をしていたため、親子の絆が強い」という意見が数多くあります。
ひとり親世帯を支援している地域がある
国や自治体が行う支援制度を活用していくことで、生活に困窮しやすいシングルマザー世帯でも安定して生活を送ることができます。
自治体によっては、独自の取り組みを行っていることもありますが、地域別の特性がかなりあります。
ひとり親世帯が困窮する傾向が多いと言うこともあり、ひとり親に関する公共事業に費用をかなり充てている自治体もあり、2016年度に東洋経済オンラインが調査した結果によると、大阪市がひとり親世帯に向けた支援に一番多く予算を割いている自治体であるそうです。次いで、名古屋市、京都市、東京都千代田区の順です。https://toyokeizai.net/articles/-/205185
自治体で行われている取り組みは下記のようなものがあります。
都市部にすむひとり親家庭を対象にしたものとしては、大分県国東市が行っているはひとり親家庭に対しての移住サポートがあります。
島根県邑南町では、日本一子育てしやすい街にするための取り組みが多く行われている地域ですので、2人目の子どもから保育料の全額負担や、0歳から中学卒業までの間は医療費の全額無料など手厚い支援があります。
上記のような一部の地域で行われていた取り組みが、国レベルでの支援に切り替わった例もあります。
それが川崎市や新潟市などで行われていた「みなし寡婦(夫)控除」です。
通常、寡婦(夫)控除は、離婚や死別などの理由によって、配偶者と別れた人を対象とした制度ですが、未婚の女性や男性はこれを適用しません。
「みなし寡婦(夫)控除」は、寡婦(夫)控除が適用しない未婚ひとり親家庭でも、保育料などを計算する際に、所得税や住民税に寡婦(夫)控除を適用したとみなして計算される制度です。
したがって、様々な行政サービスを利用する際に当たって、未婚のシングルマザーでも控除が受けることができるのです。
2018年からはこの「みなし寡婦(夫)控除」も住んでいる地域に関係なく、利用することができるようになりました。
このように現在は自治体レベルの制度も、今後ひとり親世帯に向けた支援制度は国レベルに発展していく可能性も大いにあります。こうした制度も活用して、安心安定した子育てをしていきたいですね。
まとめ
今回は精子提供などで独身未婚で妊娠・出産することのメリットとデメリットを説明させて頂きました。
シングルマザーのデメリット・リスクをなるべく回避するためには、下記のことは必ず考えておきましょう。
・生活的に困窮する可能性が高いため、子どもを産む前に十分な貯蓄と収入を確保しておくこと
・一人で子育てをしていかなければならないため、出来るだけ早い段階で近い親族や頼れる人の理解を得ておくこと
・住んでいるところの自治体の支援制度を十分に調べること、必要があれば自分の収入や生活環境やライフスタイルに合わせて支援の厚い自治体の地域に引っ越しなど。
この記事のようにシングルマザーにはメリットもあれば、デメリットもありましたが、
本当に重要なことは、シングルマザーになることによって『貴女の望む人生を歩めるかどうか』だと思います。
本当に実現したいことであれば、どんな苦労も苦労だと感じずに、その苦労は貴女の人生にとって充実したものになるはずです。
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