近年では、女性が事前に妊娠できるかどうかを検査する「ブライダルチェック」ですが、男性もブライダルチェックを受けることは可能です。
結婚が決まった人や結婚をしている人が受ける検査というイメージも強く、「ブライダルチェック」を受ける人は女性だけと勘違いしている人も多いかもしれません。
男性も“妊娠させる力があるのか”を知ることは、精子提供に限らず一般男性にとっても大切だと思いました。
今回Kagayakiは精子検査を受けるにあたり、男性側の不妊や、男性のブライダルチェックの内容などについて詳しく調べてみましたので記事にします。
私の精子検査結果はこちらです↓
『輝の精子検査結果』
目次
不妊は男女関係ない
一般的に「女性は年齢を重ねていくと妊娠しづらくなる」と言うことが知られていますが、実は、男性も年齢と共に元気な精子の数は減少する傾向にあります。
女性の場合ですと、不正出血や月経不順などの症状が起こり、体の不調を知ることもあるでしょう。
月経を必要としない男性の場合、問題があっても特に症状が表れることが少ないので、自覚がないということも多いようです。
だから、知らず知らずのうちに疾病を抱えているケースもあり、いざ子どもを持とうと思っても難しいという現実を知ることがあります。
世界保健機構(WHO)によると、通常のカップルの内、約15%が不妊症であり、女性にのみ原因があるケースは41%と出ています。
しかし、この報告によると24%は男性にのみ原因があり、また同じく24%は男女共に原因があるという結果でした。
つまり、半分程度は男性側にも原因があるということになります。
現在の日本人男性の10~20人に1人の割合が精子に問題を抱えているとも言われています。
これだけ多くの割合で問題を抱えているのに、自分が不妊原因を持っていると知らない男性も多いからこそ、体について知ることは大切だと思います。
男性不妊の原因は3つ
では、男性不妊の原因とはどんなものがあるのでしょうか。男性不妊の原因は大きく分けて3つあります。
〇造精機能障害 - 82.4%
〇精路通過障害 - 3.9%
〇性機能障害 - 13.5%
2016年の全国調査の結果によれば、一番割合が高い障害は「造精機能障害」です。
「造精機能障害」は精子を造る機能に問題があり、乏精子症や無精子症、精子無力症がこれに当たります。
次に割合が多い「性機能障害」とは、勃起不全や射精障害等の生殖や性行為に支障を来す問題を指します。
EDとも呼ばれる勃起不全は、年齢を重ねた50代以上に多くみられる症状ですが、実は若い方にもみられ、その原因は心因性の場合が多く、
「性機能障害」は、セックスレスにもつながる場合があるので、カップルにとっては大きな問題になります。
最後に「精路通過障害」ですが、これは精巣で精子が作られているのにも関わらず、射精するまでの間に異常があり、尿道まで精子が出てこられない状態をさします。
参考URL
男性が行うブライダルチェックの検査内容と費用
男性が行うことのできるブライダルチェックについてですが、
男性が受けるブライダルチェックは女性の場合とは違い、痛みを感じる検査は特にありません。
また産婦人科でも受けられますが、泌尿器科でも受診することができます。
検査内容
問診
喫煙などの生活習慣や性行為の回数、射精の有無なども確認します。
精液検査
病院内で採精する場合が多いですが、自宅で採精することもあります。
自宅で行う場合、移動のための時間や温度変化、紫外線等の影響も受けることがあります。
このため、自宅採精の場合は採精してから30分~1時間の間に受け渡した方が良いとされています。また、検査するためには事前に3~4日間程度禁欲をする必要もあります。
感染症検査
HIV、クラミジア、肝炎、風疹抗体などの有無を検査します。
場合により、このほか指診や触診、超音波検査、血液検査が行われる場合もあります。
重要視されるのは精液検査
検査の中でも精液検査は重要視されており、WHOの設ける基準値と比較して精液の量や精子の数、質を調べていきます。
<WHOによる基準値>
精液量 1.5ml以上
精子濃度 1500万/ml以上
総精子数 3900万以上
全身運動率 32%以上
総運動率 40%以上
正常精子形態率 4%以上(奇形率96%未満)
白血球数 100万/ml未満
参考URL:一般社団法人 日本生殖医学会
この基準値は自然妊娠ができる最低限のラインです。
しかし、基準値を下回っているからと言って、妊娠させる力がないということではありません。
精子の状態は日常受けるストレスや環境の変化によっても大きく変わるからです。
ですので、基準値を上回っている場合でもなかなか妊娠に至らないことはあります。
血液検査で分かることとは?
必要に応じて受ける血液検査ではホルモンの値や染色体についてなどが分かります。
もしもホルモンが不足していると分かれば、ホルモン治療を行い改善することができます。
また精巣で精子を作る機能が低下している場合、FSHという卵胞刺激ホルモンが高い傾向があると分かります。
参考URL:男性不妊の検査 診断 治療の手順(方針)
費用や検査時間について
こうしたブライダルチェックにかかる検査費用は2万円程度で、しっかりと検査しても大体3~5万円が目安のようです。
検査自体にも血液検査以外はそれほど時間がかからずに済みます。
自宅で行える検査キットという方法
検査キットはメーカーHPや通販サイトから販売されているので、気軽に購入することができます。
アプリなどを使用して自分で結果を調べる検査キットや、郵送して結果が後日送られてくるキットなどのタイプがあるので、自分に合った物を選ぶことができるでしょう。
病院に行くということはかなりハードルが高く感じる人もいるでしょうが、気軽に検査を受けられ、時間の調整も付きやすいので便利です。
価格はメーカーにより様々ですが1万円以下で購入できるものが多いです。
妊娠させる力のある精子とは?
WHOの定める精子の運動率や数などの基準は妊娠するために必要な最低基準です。
自然な妊娠を望む場合、精子の濃度は5000万/ml以上、精子運動率も55%以上必要と言われています。
一般的に精子はオタマジャクシのように頭が丸く、そこにしっぽのような形のものが付いています。
この頭と尻尾のような部分を繋ぐ「中片」には、精子のエネルギーを生み出す器官があり、前に進む力を生み出しています。
このエネルギーを使って、膣内から卵管を通り、卵子のところまで辿り着き、そして卵子の中に突入します。
卵子のもとに辿り着く力があり、精子の数が多い方が妊娠させやすいと言えますが、精子の保有しているDNAも妊娠させる力と関係しています。
参考URL:失敗しない精子検査の方法とは
良好な精子状態にするための対策
精子の状態は体調により大きく変化することがあります。
精子の状態を悪くする原因は下記になります。
1. 飲酒・喫煙
2. 長風呂・長時間のサウナ
3. タイトな下着
4. 長時間の自転車、バイクの運転
5. 座りすぎ・運動不足
6. 脂肪のとりすぎ
以上が挙げられますので、その内容について詳しく見ていきます。
1.飲酒・喫煙
アルコールは性的興奮を高める面もありますが、過剰に摂取すると性欲減退することもあります。
デンマークで行われた調査によると、週にビール中瓶3本飲む程度でも精液の質に影響を与えることが分かり、大量に飲酒をすると精子濃度低くなるという結果も出ました。
アルコール同様、喫煙も精子濃度や運動率、形態に影響が出ます。
アメリカで行われた調査では、喫煙習慣のある人の精液(1ml)中に含まれる精子の数は、喫煙習慣のない人に比べると平均して約972万個少なく、運動率も平均3.48%悪いという結果が出ています。
また、精子の形態も平均1.37%悪いという結果でした。
2.長風呂・長時間のサウナ
そもそも陰嚢が体の外に位置している理由は、精子を作る精巣が熱に弱いためです。
精子にとっての適温は体温よりも低い34~35℃。それ以上となる37℃の環境では24~48時間程度しか生きられないため、受精するタイムリミットがあるわけなのです。
反対にマイナス100℃で凍結した場合、長期間保存することが可能なので、元気な精子を保管できる精子バンクなどの仕組みが可能となります。
また、膝の上でパソコン操作すること、これも精巣を温めることにつながりますので、なるべく控えるようにすることが大切です。
3.タイトな下着
体にフィットしたボクサーパンツなどを履いていると、陰嚢は体と常に接している状態になります。
これにより、陰嚢の温度は上がるため温度調節がしにくくなってしまいます。
タイトな下着が精子の数に大きな影響を与えるというイギリスの新聞社による調査結果もあります。
参考URL:ボクサーパンツが与える生殖機能への影響
4. 長時間自転車やバイクの運転
長時間自転車やバイクの運転をすると、どうしてもサドルとの摩擦や圧迫で温度が上昇しやすくなります。
また、サドルの刺激によって血流も悪くなるため、負担は大きくなります。
5.座りすぎ・運動不足
これも精巣の血管が圧迫され、血流を悪くさせる原因になります。
例えば、長時間テレビゲームをすることや、休日に長時間動画を観て過ごすということも、精子には悪影響となります。
血流をよくするために運動を行うことが効果的です。
6.脂肪のとりすぎ
アメリカで行われた食事と精子の関係についての実験で、脂肪の摂取が多い男性は1回の射精の中に含まれる精子の数が43%も少ないという結果が出ています。
脂肪も様々な種類がありますが、中でも飽和脂肪酸は注意が必要です。
この飽和脂肪酸の摂取量が多い男性は、摂取量の少ない男性に比べると精子濃度が41%も低いという結果が出ています。
飽和脂肪酸は肉やバターに多く含まれており、野菜や魚を普段食べない人や食事のバランスが崩れている人は要注意のようです。
1日のカロリーの10%以上飽和脂肪酸を摂取すると、精子の数が減るということも分かっているので、飽和脂肪酸の多い食材ばかりを取らないようにする必要があります。
同じ脂肪の中でもオメガ-3不飽和脂肪酸の摂取量が多い男性の精子形態は、奇形が少ないということが同じ調査で分かっています。
オメガ-3不飽和脂肪酸は体では作れない脂で、魚介類に多く含まれている成分でもあります。
男性の場合、不足すると精子の運動機能が低下する事実もあるので、オメガ-3不飽和脂肪酸を含む食品を積極的に摂取する必要があります。
欧米では葉酸と共にオメガ-3不飽和脂肪酸の摂取が当たり前のように薦められているので、食品やサプリメントで摂取するように心がけたいです。
参考URL:あなたの精子力は大丈夫?ニッポン精子力クライシス
精子の質をよくするには?
運動不足も精子に大きな影響を与えることが分かりましたので、定期的な運動を行うことが効果的のようです。しかし、激しい運動は細胞の酸化ストレスを高めることにつながるので、あまり推奨はされていません。また、長時間のバイクや自転車も精巣を圧迫するので避けた方がよいということ。
運動をするのであれば、過度に行う激しいものではなく、無理なく続けられる程度のスポーツがよさそうですね。
そして、「オメガ-3不飽和脂肪酸」を含む魚やナッツなどの食材を意識的に取ることと、
葉酸や亜鉛、ビタミンを摂るといったところでしょうか。
葉酸の吸収には亜鉛とビタミンが大きく関わっているので、3種類一緒に摂取した方がより効果が期待できるようですね。
まとめ
今回、精子提供活動にあたりブライダルチェック・精子検査に関連する知識を色々と調べてみました。
私の精子検査結果では、基準大幅にクリアした問題なく妊娠が可能な精子と良い結果が出ましたが、たとえ結果が良くても、ふとしたストレスや生活環境の変化により精子の質も変わってしまうようですので、日頃から注意していきたいと思います。
kagayakiは喫煙や飲酒はしていないので、『適度な運動』『健康的なバランスのとれた食事』を中心に健康・体調管理をして、長期に渡り精子提供活動を続けていければと考えています。
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