なかなか次の生理が来ない
生理が来たと思ったらまた生理が来た
など、月経にまつわる悩みを抱えている女性は少なくないと思います。
自分が思うよりも女性の体はストレスなどの影響を強く受けてしまうため、月経不順、無排卵周期などの起こりやすいのです。
月経不順や無排卵周期の要因として多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)以下PCOSという症状があることをご存知でしょうか。
実は女性の多くがこのPCOSを抱えているという事実があります。
PCOSは不妊要因の一つでもあるので、妊娠・出産を考えている人は特に気にしておくべきです。
今まさに妊娠・出産を考えているけれど、なかなか妊娠しない、月経不順に悩んでいるというあなたももしかしたらPCOSかもしれません!
今回Kagayakiはこの多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)について調べてみました。
一緒にPCOSについて知っていきましょう。
目次
多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)PCOSとは?
日本人女性の6~10%がPCOSの症状が見られると言います。
自覚のある人の一方で、全く自覚のない人もいるようですが、20~30人に一人の割合でPCOSを抱えています。
実はPCOSということを公表している芸能人も多く、例えば女優の矢沢心さんや釈由美子さん、プロゴルファーの東尾理子さんもPCOSを公表しています。
では、そもそもPCOSとはどんな症状なのでしょうか。
通常であれば、女性の体の中にある卵巣の中で卵子は2週程度の時間を掛けて成長していきますが、PCOSの場合、卵子の基となる卵胞が発育するのに時間がかかります。
そのため、なかなか排卵しにくく、他の人よりも月経までの期間が長くなるなどの問題が表れます。
例えば妊活をしようと思った時に、他の人が1年で12回チャンスが得られるのに対して、PCOSの人はそれよりももっとチャンスは少なくなります。
基礎体温表もギザギザとしたグラフを描く場合が多いので、自分のリズムを把握することが難しいといったことも特徴です。
また、PCOSの症状を持つ人の特徴として、卵巣を超音波検査で見た時に、10mmくらいの卵胞がたくさんできていることが挙げられます。
卵巣の外側に小さな卵胞が1列に並ぶ様子は“ネックレスサイン”とも呼ばれています。
このたくさんの卵胞が一つだけでも成長し、排卵することもありますが、全く排卵せずそのまま無排卵周期として終えることもありますので、
生理が来ていると思っていても、実は無排卵周期である場合もあると言うことになります。
この状態のままであれば、いざ妊娠したいと思っても排卵のタイミングが掴みにくいので、上手く妊娠できないケースも出てきます。
多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)PCOSの原因は?
なぜ排卵が上手く行われないのかというと、この原因は卵巣内のホルモンのバランスが崩れているということが一つ挙げられます。
月経が行われるためには様々なホルモンが作用するのですが、通常、卵胞がある程度大きく成長した際には黄体ホルモン(LH)の濃度が急激に高まり、卵子をより成熟させ排卵を促します。
しかし、PCOSの場合は黄体ホルモン(LH)が多く分泌され続けてしまうため、排卵しにくい状況となってしまうのです。
また、血糖値を下げるインスリンも強く関係していることが分かっています。
インスリン抵抗性などのインスリンが正常に働かない状態にあると、男性ホルモンが増加します。
男性ホルモンは卵巣の外側の膜を厚くするなどの影響を与えるので、排卵しにくくさせてしまうのです。
こんな症状ありませんか?
月経不順や無排卵周期などの症状がない方でも、こんな症状を感じたことはありませんか?
月経周期が35日以上
以前は順調だった月経が不規則
ニキビが多い
やや毛深い
肥満
これらの項目に多く当てはまるようであれば、もしかしたら、PCOSかもしれません。
先ほどお伝えしたように、PCOSの場合、排卵までに時間がかかるため、月経の周期が長くなる傾向にあります。
2か月、3か月と言った長い期間、月経がない稀発月経もPCOSを抱える人の特徴の一つです。
男性ホルモンが多く分泌されるため、ニキビや毛深くなる傾向にもあります。
また肥満によってPCOSの傾向が強くなるということもあるので、肥満傾向にある方もPCOSである場合が多いです。
多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)PCOSでも妊娠できる?
まだ特定のパートナーがいないという方でも、将来子どもを持ちたいと望むのであれば、いち早くPCOSと向き合うことが大切です。
というのも、年齢と共にPCOSの症状は進むと言われており、月経周期も長くなる傾向にあるからです。
毎月生理が来ているから自分は大丈夫だと思っていても、実は無排卵周期である場合も少なくありません。
現代の日本人女性は昔よりも生活習慣が乱れがちで、ストレスを受けやすい環境にあるので、自分が生理不順であると言うことに気が付いていない人も多いのです。
しかし、PCOSの症状があっても若い内であれば、PCOSということに気づかず妊娠・出産をする方も多くいます。
PCOSだからと言って、妊娠や出産をすることができないというわけではありません。
確かに排卵までに時間がかかる、自然に排卵しないなどの傾向にありますが、PCOSを公表された芸能人の方々の中には子どもを授かった方も多くいます。
もちろん長期間、放置していた場合、排卵を促す排卵誘発剤が効きにくい体になってしまう人もいるということは事実です。
また、このほかにも子宮内膜に異常な変化が起こる可能性も高まるため、子宮体ガンなどを発症する恐れも出てきます。
大したことはない、妊娠・出産を強く望んではいないという人も、きちんと体と向き合っていくことが大切です。
では、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)だと診断されて妊娠出産を望む場合、どんな治療法を行っていくことになるのでしょうか。
多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)PCOSの治療法は?
PCOSと診断された場合、妊娠を希望する人の治療は妊娠しやすいように排卵誘発剤等を使用して進めていくこととなります。
排卵誘発剤を使って機会を増やす
PCOSの場合排卵が上手くいかないという点が問題ですので、まずは、クロミフェンやステロイドなどの薬を使用して排卵を促していきます。
場合によっては漢方薬も併用して使用することもあります。
注射で排卵誘発をする
クロミフェンなどの処方が上手くいかないようであれば、ゴナドトロピンと呼ばれる注射薬を使用して排卵を誘発させていきます。
この時、PCOSの人は他の人よりも卵巣に多くの卵胞が溜まっているので、少し量を増やしただけで排卵誘発剤によって一度にすべての卵胞が大きくなり、過剰反応を起こす傾向にあります。
これは卵巣過剰刺激症候群と呼ばれる症状で、卵巣が3~4倍に腫れあがり、お腹や胸に水が溜まり血液が濃縮する場合があります。
ですので、治療はこの過剰な反応を起こさないように慎重に進められます。
体外授精
注射を使用しても排卵できない、卵巣過剰刺激症候群などを併発したという場合、体外授精という方法で妊娠出産を目指していくことになるでしょう。
体外授精であれば、卵胞の発育をコントロールできるので卵巣過剰刺激症候群などの心配がなく安全に治療することができるという点が挙げられます。
また適切な数の受精卵を子宮内に移植することができるので、排卵誘発剤のみの場合よりも多胎妊娠のリスクがなくなることもメリットの一つです。
腹腔鏡手術
レーザーを用いて卵巣に小さい穴をたくさんあけ、排卵しやすくさせます。
PCOSの場合、卵巣の被膜が硬くなっていることが考えられます。ですので、穴をあけることで自然に排卵ができるようになる効果があります。
また、クロミフェンに反応しにくい人も手術を行うことで反応しやすくなる可能性もあります。
しかし、効果が続くのは半年~1年ほどで、その後はまた元の状態に戻ってしまいます。
このような流れで妊娠出産を目指し、治療していくこととなりますが、
その他にも糖尿病に使用されるメトフォルミンという薬が排卵障害を改善することも分かっています。ただし、この方法が有効なのはインスリン抵抗性を抱える人です。
また、肥満傾向にある人はダイエットをして、体重を落とすだけでも自然に排卵が起こる可能性があります。
その一方で、月経不順にある人はやせ型である傾向が強いとも言われています。
肥満傾向にあることも問題ですが、痩せすぎということも自然な排卵の障害になっている可能性があります。
PCOSの原因は未だにはっきりとはしていませんので、根気よく妊娠・出産に向けて治療することが必要となっていきます。
まとめ
現代女性の多くが月経のトラブルを抱えていますが、そのトラブルに気づいていない人も多くいます。
20~30人の割合でPCOSを抱えているという事実もあるので、自分の体について知ることはとても大切です。
PCOSは自然な排卵が難しいという面はありますが、自然に妊娠をしている人も多くおり、薬などを使用して治療して行けば妊娠することも難しくはありません。
本気で妊活を行い、妊娠・出産を望むのであれば、出来るだけ早くに勇気をもって病院へ行きましょう。
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